2022.12.13
本学の看護学部では、2年生で国際保健論(30時間)の科目があります。今年度、11月4日(金)の2限目に、ウクライナの方4名をお招きし「暴力と健康」のテーマでウクライナに起きていること、戦争中の救護についてのお話を伺いました。ウクライナの方は、福岡県ウクライナ協会協会長のディミトロ・ファイズリン氏、メンバーのロマン・セリャンチン氏、クリスティーナ・ピドルスカ氏、そしてロシアのウクライナ侵攻の際、衛生兵として働き、負傷し日本で治療を受けているアントン・コルニシュク氏の4名です。
ウクライナはヨーロッパで一番面積が広い国で、小麦輸出国ですが、今年のロシアの侵攻で世界の国々へ小麦が輸出できず、世界中に食糧不足の影響が起きていることを学びました。そして、ロシアのウクライナ侵攻は2014年から始まっていることや、その地域が拡大しミサイルが飛び交う日々の暮らしの中で負傷している市民が沢山いる現実を実際の写真や動画を通して知りました。また、アントン氏からは衛生兵として持っている救急箱の中身、戦争と災害の救護のプロトコールのMARCH(M:Massive Hemorrhage、A:Airway、R:Respiration、C:Circulation、H:Hypothermia)等を学びました。そして、アントン氏が撮影した負傷する前の活動、負傷して自分で行った応急処置(止血)、搬送の写真を通して、目の前にいる方に起きた過酷な現実を知りました。
ウクライナの方々が母国愛が強く、現実に起きている、平和な日常生活が戦争で壊れている悲惨な状況を知り、「知る」ことや、世界に関心を向けることの大切さに気づき、何が自分たちにできるのかを考える、貴重な機会となりました。学生がこのような貴重な学びを得られましたのは、ディミトロ・ファイズリン氏、ロマン・セリャンチン氏、クリスティーナ・ピドルスカ氏、アントン・コルニシュク氏のおかげです。心よりお礼申し上げます。
ウクライナの講師の方々
向かって右からクリスティーナ・ピドルスカ氏、ディミトロ・ファイズリン氏、ロマン・セリャンチン氏、アントン・コルニシュク氏
クリスティーナ・ピドルスカ氏 ウクライナの国概況について説明
アントン・コルニシュク氏 自己紹介
アントン・コルニシュク氏 戦争と災害の救護のプロトコールのMARCH説明
アントン・コルニシュク氏 止血の説明
アントン・コルニシュク氏 自分が負傷し搬送されている時の説明
学生代表のお礼の言葉
講師の方々と学生