学科紹介

言語聴覚学科 

コミュニケーションを科学的に分析し、「ことば」や「聞こえ」の機能を向上させる言語聴覚士を養成

言語聴覚士は、「話す」「聞く」「読む」「書く」「食べる」といった、コミュニケーション機能や飲み込みに問題がある方をサポートする医療専門職(国家資格)です。すでに国家試験は25回実施されており、全国に4万人近くの有資格者がいます。
主な活躍の場は病院のリハビリテーション科で、理学療法士や作業療法士と共に、脳卒中やパーキンソン病など言語障害や飲み込みの障害を発症した患者さんに対して、評価・訓練・指導を行います。他にも、難聴、吃音、発達障害を抱える患者さんのサポートを行うこともあるため、福祉や教育の場でも言語聴覚士の必要性が高まっています。対象とする障害によっては他の身体障害の患者さんと比べて回復が長期にわたることが多いため、現在、より多くの言語聴覚士が必要とされています。
本学の姉妹校である国際医療福祉大学大川キャンパスは、1期生より常に就職率が100%を達成、国家試験も過去に何度も100%を達成しています。その大川キャンパスの業績と教育経験を継承し、2023年4月、福岡国際医療福祉大学に言語聴覚学科が誕生しました。この百道の地で、言語聴覚士の夢を叶えましょう。

言語聴覚学科長

言語聴覚学科長
爲数 哲司 教授

学科概要

定員

40名

取得可能な資格

  • 言語聴覚士国家試験受験資格

言語聴覚士の活躍の場

医療機関
  • 病院・診療所
    (リハビリテーション科、耳鼻咽喉科、小児科、形成外科、口腔外科)

ほか

福祉施設
  • 障害福祉センター
  • 小児療育センター
  • 通園施設
  • 放課後デイサービス

ほか

介護施設
  • 養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • ケアハウス
  • グループホーム

ほか

教育機関
  • 大学
  • 専門学校
  • 特別支援学校(聴覚障害・知的障害・肢体不自由)

ほか

医療福祉関連企業
  • 補聴器関連会社
  • 人工内耳関連会社

ほか

その他
  • 行政機関
  • 研究機関

ほか

養成する人材

言語聴覚士は、人間にとって重要な「話す」「聞く」「読む」「食べる」機能に障害を持つ人へ評価や訓練、指導などを行う医療専門職です。対象は、乳児から高齢者まで幅広く、障害の種類や程度もさまざまです。そのため、たくさんの知識や技術のほか、コミュニケーション能力が必要になりますが、1年次の関連施設における言語療法場面の見学、2年次の保育園や高齢者施設でのコミュニケーション体験、3・4年次の病院や施設での臨地実習を通してこれらを修得していきます。
数人の学生グループに専任教員を配置したアドバイザー制で、きめ細かな指導を行うフォロー体制も整備しています。

先輩の声

吉田 柊偉さん

姉妹校・国際医療福祉大学(大川キャンパス)
福岡保健医療学部 言語聴覚学科 3年
(福岡県立中間高等学校出身)
吉田 柊偉さん

些細な質問にも真剣に向き合ってくれる先生との距離の近さが魅力です
私は幼い頃から吃音を持っており、高校生の時に同じ悩みを抱えている人がたくさんいることを知り、言語聴覚士をめざそうと思いました。いま私が力を入れて取り組んでいることは授業の復習です。毎日少しでもいいので復習しておくと、わからないところが見つかり、次の授業時に質問ができます。先生方は学生の些細な質問に対しても真剣に答えてくださいます。授業で習った検査方法などを実際に自分たちで機械を使いながら実践できることも言語聴覚学科の魅力の一つです。実技の授業では先生が患者さん役となり、一対一で話をしながらどのような障害があるかを考える授業があります。準備万端のつもりで臨みましたが、実際に実技を受けてみると、思い通りにはいきませんでした。患者さんとコミュニケーションを取る際は、持っている知識を伝えるだけでは通用しません。さまざまな知識を組み合わせながらコミュニケーションを取ることの大切さをこの授業で学ぶことができました。このように、障害で苦しんでいる人を訓練やリハビリで治療することはもちろん、「この人に出会えてよかった」と患者さんに安心してもらえるような言語聴覚士になりたいです。

※言語聴覚学科は2023年度開設のため、姉妹校・国際医療福祉大学の在学生インタビューを掲載しています。

言語聴覚士として活躍中!

坂本 一馬さん

福岡山王病院
言語聴覚士
坂本 一馬さん

発達障害の子どもたちのお兄さんのような存在をめざして認定資格取得に挑戦中
私は姉妹校の国際医療福祉大学で言語聴覚を学び、現在、福岡山王病院で勤務しています。就職してからずっと子どもを対象とすることが多かったこともあり、主に発達障害を持った子どもの言語訓練を任されています。子どもはことばが増えたり、コミュニケーションが伝わるようになったりと日々成長を感じる瞬間が多いため、やりがいもひとしおです。8年間働いてきましたが子どもやご家族から感謝されると、やはり今でも喜びを感じます。一般的に子どもを専門とする言語聴覚士の多くは女性です。しかし、男性の言語聴覚士だからこそ、子どもたちのお兄さん的存在として寄り添うことができるのではないかと私は考えています。発達障害に関する知見を深めるため、仕事の傍ら、国際医療福祉大学の大学院に通い、無事に卒業することができました。ゆくゆくは発達障害領域での認定資格も取得したいと考えています。

PROFILE
2015年国際医療福祉大学を卒業し、柳川療育センターに入職。発達外来や入所者の言語聴覚療法を担当。2020年に福岡山王病院へ異動。同時期より国際医療福祉大学大学院言語聴覚分野に進学する。現在は、小児のみならず成人領域の言語聴覚療法のスキルアップにも励み、認定言語聴覚士の資格取得をめざしている。

言語聴覚士の仕事紹介

言語聴覚士として活躍中!

人間の尊厳、「ことば」の回復・発達を図る
「ことば」「聞こえ」「声や発音」「嚥下(えんげ、食物の飲み込み)」の障害は、生まれつきのものから病気やけがによるものまで原因はさまざまで、小児から高齢者までが対象です。発達障害によって言語機能の発達が遅れている子どもに対してコミュニケーションを育成し、ことばや文字の獲得をサポートするなど、教育分野での活躍も期待されています。
超高齢社会でニーズが高まる
言語聴覚士は、日本では1997年に法制化された国家資格です。超高齢社会となり、老齢期の脳卒中などの後遺症による失語症や嚥下障害、認知症が増えており、言語聴覚療法を必要とする人は全国で650万人以上と言われるなか、有資格者は現在約3万人。今後、社会的ニーズが高まり、医療のみならず、教育や福祉の分野にも活動の場が広がることが予想されていることからも、さらなる養成が望まれています。
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