2021.12.23
光武翼講師は脳卒中患者に対するtrailing limb angleと歩行時の体幹加速度計解析による体幹運動の関係性に関する研究を行いました。この研究成果は、国際誌Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseasesに掲載されています。
研究概要
脳卒中片麻痺患者は歩行時の重心移動が下肢の関節運動パターンに影響を及ぼす可能性があります。特に、立脚後期の股関節伸展は角度が大きいほど前方への推進力を向上させることができるため、歩行周期でも非常に重要な動作の一つとなります。しかし、歩行時の重心移動が股関節伸展角度に及ぼす影響は明らかにされていません。本研究は体幹加速度計を解析することで上下・左右・前後方向の動揺性、規則性、円滑性を計測し、麻痺側股関節伸展角度との関係性を調査しました。
股関節伸展角度は二次元動作解析装置を用いてtrailing limb angleを計測し、体幹加速度は、root mean square、autocorrelation coefficient、harmonic ratioによって歩行を解析しました。その結果、root mean squareやautocorrelation coefficientはtrailing limb angleに影響を及ぼす要因として示されました。
Trailing limb angleは歩行時の前方推進力に影響を及ぼし、角度を増大するために規則的且つ安定した重心移動を要する可能性が示唆されました。
論文情報
Mitsutake T, Nakazono H, et al: Increased Trailing Limb Angle is Associated with Regular and Stable Trunk Movements in Patients with Hemiplegia. J Stroke Cerebrovasc Dis 31(2):106242, 2021.
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34915305/