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【研究情報】理学療法学科 光武翼 講師/研究論文が国際誌に掲載されました

2020.08.07

トピックス

本学理学療法学科 光武翼講師が行っている研究が国際誌に掲載されました。

光武翼講師は機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging: fMRI)を使用して前庭刺激時の脳活動を解析するとともに、立位バランス能力との関連性を検証しました。この研究成果は、国際雑誌Somatosensory and Motor Research(Greater functional activation during galvanic vestibular stimulation is associated with improved postural stability: A GVS-fMRI study)に掲載されています。

 


研究概要

柔らかい床上での閉眼立位は前庭覚への依存性が高いことが報告されています。しかし,柔らかい床上での閉眼立位に関係する脳活動領域は明らかにされていません。本研究の目的は,機能的磁気共鳴画像(functional Magnetic Resonance Imaging; fMRI)を用いた前庭直流電気刺激(Galvanic Vestibular Stimulation; GVS)時の脳活動領域とmodified Clinical Test of Sensory Interaction and Balance(mCTSIB)によって計測された姿勢安定性の関係性を調査することとしました。

本研究には45名の右利き健常者が参加しました。mCTSIBは硬い床面上での開眼と閉眼,柔らかい床面上での開眼,閉眼立位の4条件の足圧中心動揺速度と動揺面積を計測しました。さらに,対象者はfMRIを用いてGVS時の脳活動を計測しました。我々はGVS時のBOLD反応領域とmCTSIBによって計測された姿勢安定性の関係性を調査しました。

対象者は頭頂弁蓋や中心弁蓋,下前頭回弁蓋部を含む島周辺領域のBOLD信号の有意な増加が認められました(図1)。中心弁蓋の活動性は柔らかい床面上での閉眼立位の動揺速度と有意な負の相関が認められました。

島周辺領域は中心前庭皮質を示しています。特に,中心弁蓋は直立知覚に対する前庭覚情報を含む異なる感覚成分を処理するために重要な役割を担います。本研究では前庭刺激に反応したCO領域における個々の活動量が良好な姿勢制御機能を示す可能性が示唆されました。

 

 

論文情報

Mitsutake T, Sakamoto M, Kawaguchi A, Tamari M, Horikawa E: Greater functional activation during galvanic vestibular stimulation is associated with improved postural stability: A GVS-fMRI study. Somatosens Mot Res, In press

 

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